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F1におけるフルード テクノロジー ソリューションズ -Fluid Technology Solutions™-

ペトロナスは、メルセデスAMGペトロナス・フォーミュラ・ワン・チームのF1 W05の発表とあわせ、もう一つ画期的な達成をお知らせします。
刺激的な新しいシーズンにチームの力を集約するため、ペトロナスによって新しく強化された潤滑油と燃料と共に、小型化されたF1 W05のV6 1.6Lターボエンジンが開発されました。

2010年にシルバーアローの時代が始まって以来、ペトロナスはFluid Technology Solutions™のパートナーとして、様々なパフォーマンスを可能にする潤滑油と燃料技術の潜在能力を最大限化してきました。
2014年には、ペトロナス社とBrackley及びBrixworthにあるメルセデスのテクニカルチームが共に協力し、FIAが定める新規定に対応した高性能レースマシンを開発したことによって、この関係は顕著に強化されました。
パワーユニットであるエンジンが新しいシルバーアローの心臓ならば、ペトロナスの技術によって開発された燃料と潤滑油は大事な血液と言えるでしょう。

FIW05

今年、燃料エネルギー密度はパフォーマンスを制御するパラメータの一つとなり、効率性の向上はパフォーマンスの向上と完全に連動しています。
この文脈において、潤滑油と燃料は様々な経路で決定的な役割を果たします。
ペトロナスのエンジニアたちは、彼らの専門能力を駆使してSYNTIUMを最適化することを通し、直噴ターボエンジンであるこのパワーユニットがもたらす新たな課題に対応する為、新しい潤滑油を設計・共同開発してきました。

キーとなる課題は、F1のエンジンをV8 2.4リッターエンジンからV6 1.6リッターエンジンへ小型化したことです。
排気量の少ない小型内燃エンジン(ICE)での出力の増大は、新エンジンの高熱化を意味します。
オイルは高温になればなるほど粘度が低くなってしまうため、金属成分が摩擦し、働きが悪化することを防ぐためには、高温化したエンジンはある程度の高粘度オイルを必要とします。
しかし、ICEに使用するオイル量が少なくなった(V8エンジンの 7リットルからV6エンジンで 3リットル以下まで減少)ことにより、エンジン温度が上昇するため、オイルがエンジンを冷やす役割が重要となります。
これは低粘度でより速く流れるオイルを必要とする事を意味します。
さらに、規定変更に伴い、1レース当たりの燃料消費量が100kgまでに制限されたため、オイルは更なる低フリクション化を通じて燃料消費量を抑える必要があります。
このような複雑で相反する必要条件を満たすためには、2014年車のための新たなエンジンオイルは、冷却を促す最新の低粘度合成ベースオイルと、オイルを高粘度化する(高油温時に対応する)先進のポリマー粘性ブースターとのバランスのとれた配合によって作られる必要があります。
金属表面の接触を円滑にするための摩擦低減成分も、全体的な燃料使用の経済性を向上させるために活用されています。

もう一つの課題は、高温によりオイルそのものが期待された役割を果たさなくなる可能性がある点です。このような極端な状況の下で、オイル性能の劣化を抑えるために高性能添加剤が加えられています。
トランスミッションにおけるエネルギー損失も燃料効率に大きな影響を及ぼします。
この問題に対応するために、ペトロナスのエンジニアたちは、2014年車のためのトランスミッション用潤滑油も新たに開発しました。
この潤滑油により、トランスミッションにおけるエネルギー損失が最小化され、同時に変速装置の誤作動も回避されます。

PLIMerc

燃料に関して、小型直噴射ターボ付エンジン(ICE)は、特別な特徴を持った燃料を必要とします。
例えば、燃料から出るデポジット(堆積物)によって噴射装置が詰まらないことが極めて重要です。
それに加えて、FIAが燃料量及び流動率に上限を設けたことによって、燃料の全ての成分がパフォーマンスを上げなくてはならなくなりました。
ペトロナスのエンジニアは、2014年に新たに定められた燃料規定に沿って各割合(エネルギー密度・オクタン価・バイオ材料)を慎重に検討してバランスのとれた燃料を新たに開発しました。
この燃料成分の中には、素晴らしい性能を発揮する反面、インジェクターノズルに堆積物を生成する可能性がある材料もあり、この課題をクリアする必要がありました。
化学者とエンジニアは、実際のエンジンを活用した新燃料の開発テストを実施し、新しいV6エンジンのための新世代燃料を生み出しました。
それはエンジンパフォーマンスの大幅な向上を約束するものです。

ペトロナスのフルードテクノロジーソリューションにおける貢献は、2014年の新エンジンの実用化にとって重要なことでした。
これまでのF1の歴史において、エンジンとその「血液」がこのように密接に発展したことはありませんでした。
V8エンジンとは正反対と言える課題に取り組むにあたり、ペトロナスの技術提携は成功に不可欠な要因となるでしょう。